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Mar
加速する時代に抵抗する読書 -テクノロジーと日常をめぐる対話-
2025年の万博が見据えられる中、「未来」「イノベーション」といった言葉が当たり前のように飛び交う。しかし今回のビブリオトークで注目されたのは、そうした進歩や新規性に対する無自覚な称賛ではなく、私たちの足元にある日常や歴史、情報や言語の仕組みそのものを問うという姿勢だった。それらの書籍に通底しているのは、「普段は当然のこととして受け入れられるものにこそ、見過ごせない構造が隠れている」という考えだと言えよう。
当たり前の風景を見直す力
まず最初に取り上げられたのは、クレイグ・モドの『KISSA BY KISSA 路上と喫茶
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